なぐり書き
ミー
ミーがシャワーを浴びて
出てくるまでに
どれだけ書けるだろう
書いてみる
その声を聞いた後で
俺は
やっぱり眠れない
ドキドキしてる
胸の音は
すぐそばで鳴らされた
チャペルの音より
騒がしいよ
どうしたらいい
ああ
ミー
俺はどうしたらいい
こんな自分を
どうしたらいい
今日一日
身に付けていたものを
全て脱ぎ捨てて
今シャワーを浴びている
ミーは美しい
そのミーを抱きしめたい
俺 なんか変なこと言ってる?
なぁ ミー
俺の言葉で
もう
お腹いっぱいになってない?
なんか俺
ミーに求め過ぎているかな
どれだけ話しても
足りなくて
どれだけ愛しても
物足りなくて
俺
やっぱり
ミーに
求め過ぎてるね
熱のこと
心配してくれてるみたいだけど
そんなの
全然大丈夫だよ
そんなの
全然大丈夫
それよりも
ミーのことを想う
熱のほうが
全然大丈夫じゃない
だから
そっちの方を
介抱しておくれよ
じれったい
その声で
もっともっと
介抱しておくれよ
ミーと迎えてない
朝があるというのに
ミーは
他の誰かと
そんなことがあって
そんなことなら
俺だってあるのに
ああ
もう
そんな自分がつまんない
泊まらせたなんて
言うな
いや
それって
過去のことじゃん
でも嫌だ
ミー
なぁ
ミー
俺
嫌だ
絶対に嫌だ
自分
やっぱりおかしい
ミーの耳たぶは
甘い匂いのする毒牙だから
俺は
きっと死んでしまう
なんなら
今のうちに殺してくれよ
ミーと
別れないうちに
殺しておくれよ
なぁ
ミー
これ以上
ミーに溺れていく自分が
怖いんだ
力任せに書いた
ミー
愛してるよ
こんなにも
愛しているんだよ
2016年12月28日(水)0時10分
些細な傷
「些細な傷」
今朝玄関を出ると
冷たい風に吹かれて
雨の線が斜めになっていた
いつもなら
寒いなって思うくらいで
終わってしまうことなのに
今朝のその時は
ミーが会社に向かうのに
ミーの手がかじかんだりしないかなとか
風邪を引いたりしないかなとか
そんなことばかりを気にしていた
きっと
自分の命より大切なものなんて
ないのだと思うけど
ミーの辛さや
悲しませるものを
取り除くことができるのなら
俺
自分の命なんて
簡単に差し出すことが出来る
そう
雨の日には
傘をさすように
俺は
ミーと
同じ傘の下で歩けるのなら
雨の日も悪くないなって思うんだよ
なぁ
ミー
俺達ふたり
愛してきた人達に
いつだって
懸命な思いで尽くしてきた
はずだったよね
なのに
俺達ふたりは
誰かに対しての思いには
いとも簡単に
踏みにじられたから
それはまるで
路地裏の
コンクリートの壁際を
申し訳なさそうにして歩く
捨て猫のような人生だったよね
そして
ミー
ふたりは
ふたりが出逢う
もう何年も前から
お互いがお互いを
知らなかった
街の風景の中で
何故
同じ歌を好きでいたり
その歌を
同じように感じてきていたのだろうね
スピリチュアルなんて
もうどうでもいいけど
やはりそこには
目には見えない
人間では
説明のすることの出来ない
確かな意図や存在が
あるような気がしているよ
ミー
いきなりだけど
その瞳綺麗だよ
今度会った時
俺はミーに聞きたいよ
その綺麗な瞳は
いったい何処から
生まれてきたのって
もしも
その出生が
悲しみだったとしたのなら
俺はなおさらに
ミーのことが
愛しくなってしまうよ
いつだって
どんな時だって
些細な傷さえも
ミーには付けたくない自分だよ
なのに
ミーの細い手首を
押さえつけて
ミーの
マネキンのような
形のいい腰が
粉々になってしまうくらいの力で
強く強く
強く強く強く
抱きしめて
誰のことも見るなよ
誰にも見せるなよ
おまえは
俺のもんなんだよ
って
そんな衝動が
カーテンの波のような意識で
めくりめくって
愛してる
愛してる
って
言いたくなってしまうんだよ
俺のこと
こんなに苦しくさせて
なのに
それよりも
こんなにも
甘く甘くさせられて
信号待ちの交差点で
横断歩道を歩く
見ず知らずの女の
パンプスを見たのなら
あの日の
ミーの足首を思いだし
仕事中の意識なら
しっかりしているのに
ミーに
この心はすっかりと犯されて
もうなんだか
甘い甘い
ただ甘いだけの
フレグランスの香りに
包まれたようなそんな夢を
ずっと見ているようだよ
そして
その甘いだけの
フレグランスを
この体につけたのなら
自分のどこかの傷ついたところで
痛く染み渡り
それは心まで響く
ミー
愛してる
明日の今頃は
昨日の今よりも
愛してる
いとも簡単に踏みにじられて
誰かに捨てられたものを
ミー
ふたりで
また拾い集めて生きて行こう
ミーとなら
それが出来る
これからも
同じ歌を聴いて行きたい
愛してるんだ
死ぬほど
愛してるんだ
2016年12月27日21時35分
眠れない
「眠れない」
ミー
ミーが調子悪いことを
わかっているのに
なのに
俺は
自分のわがままを
押さえきれずに
ミーにこの気持ちを
押さえつけてしまったね
あーだこーだって
LINE続けてたけど
結局俺は
ミーのことを愛してるって
ミーに愛されたいんだけなんだって
ただ
それだけを言いたかっただけ
ミーだけは
失いたくない
なにがなんでも
失いたくない
たった
たった
この今も
ミーを想う気持ちが
膨らんでいく
ミーのことを
抱きしめたくて
それ以外には
なんにも考えられなくて
眠れないんだ
ミー
ミーの
優しくていじらしくなる
その声を聞かないと
眠れないんだ
こんな気持ち嫌だ
だけど
ミーを失ってしまうことなんて
もっと嫌だ
ミー
嘘でもなんでもいいから
その甘いくちびるを
おくれよ
もしも
俺が傷ついたなら
ミーが
もっともっと
俺のことを傷つけて
この首を絞めて
殺してくれたらいい
この人生の最後に
見られるのは
ミーの瞳だけでいい
ミー愛してるって
そう言って
死んでいきたい
来世も過去も
それから今のことでさえ
俺にはわからないけど
今度生まれ変わったのなら
二人の子供を見てみたい
ミー
愛してる
どれだけ
その言葉を
言えばいいんだろう
なぁ
ミー
そばにきて
愛してるって言ってくれ
この前会った時のように
ミーの髪を
撫でたいんだ
2016年12月26日(日)22時38分
ラナンキュラス
「ラナンキュラス」
ミーへの気持ちが
増えていけば増えていくほど
土曜日と日曜日が
寂しくなっていくね
たとえばそんな日が
雲っていたのなら
このクラウディな感情の
なんらかの慰めになっていたのかも
しれないのにね
だけど今日の空は
そんな自分のことを
嘲笑うかのように
どこまでも晴れわたっていた
そんな水色一色の下で
ミーは
娘を中心にして
三人で笑い合っているのかなって
その人は
ミーの笑顔に
もう感じたりはしていないのかなって
思ったら
胸のいちばん深いところで
ちくりとした痛みが走った
そして
ミー
俺は今ここにいるんだよって
そんなどうでもいいようなことを
ミーに知ってもらいたくて
なんでもない風景の
写真を撮った
ミー
俺はわがままだね
ミーの髪の毛に
触れさせてもらえたのに
くちびるさえも
許してもらえたのに
それだけでいいはずなのに
今では
ミーのことが
もっともっと
欲しくなってしまって
歯止めのかからない
この激しい想いを
どうすることもできない
自分がいるよ
川と仲良く並んでる
道を横切り
買い物をするためにやってきたスーパーの
入口のところで売られていた
ラナンキュラスの花が
寒さが少し弱まった
小さな風に当たり
恥ずかしそうに
黄色の花びらを揺らしていた
なんだかその姿が
あまりにも可愛らしかったから
俺は
ミーみたいだねって
心の中で囁いたんだ
そしたら
なんにも悲しくなんてないのに
涙が滲んできたから
ミー
愛してるよって
ミーの細い手首を引っ張り
小さくて綺麗なその顔を
この胸に埋めさせて
愛してるから
俺 こんなにも
ミーのことを愛してるからって
そう言いたくなったんだ
ミー
今日の俺は
ただそれだけの日だったよ
ラナンキュラスの花びらが
揺れて揺れて
その花びらの動きに
ミーの
笑顔と
くちびると
瞳と
可愛らしい声を
重ねていたよ
いつまでもいつまでも
重ねていたよ
飛行機の翼が
旋回していくのが見える海の場所で
折れてしまくらいに
ミーのことを
抱きしめたい
背中に
この不器用な手を
回したのなら
もう離さないって
その為だけに
この手はあるようで
あまりにも
ラナンキュラスの花が
ミーに似ていたものだから
俺は
その花言葉を調べた
とても魅力的
晴れやかな魅力的
光輝を放つ
と
調べた先には
そう記してあった
ミー
俺はミーの虜だよ
愛してる
深く深く愛してる
2016年12月25日(日)18時22分
ミーがくれたクリスマスプレゼント
ミーのことを想う度に
心だけではなく
体まで欲しくなってくるから
なぁ
ミー
男には
それを外に出さないといけない
どうしようもないものがあるね
そんないけない夢を
一人胸に抱きながら
俺は何時間も
夢に近い意識の中で
ミーに触れていた
ミーはその度に
切なく感じてくれるから
そんなミーを
ずっと見ていたくて
俺は何度も何度も我慢をして
果ててしまうことに無理をした
そう
ミーからのLINEにも
気づかないくらいに
長い間そうしていた
そんな動作を幾重にも
繰り返し繰り返し
そのうち
この体はもっと熱くなっていったから
それはさながら
蝉の鳴き声が止まらない
うだるような真夏の中で
ミー
ミーって
その名前を呼びながら
俺はその時を迎えた
それはきっと
生命の始まりだから
果てた後
俺はなんだか
ミーの娘の顔を見たくなって
ミーのことを撫でるのと
同じ力で
ミーの娘の髪の毛を撫でた
ミー
気だるいよ
だから俺は
こんなにも幸せで
優しい気持ちになっているから
片方の腕に
ミーの顔を
うなじ辺りから乗っけて
そしたら
もう一方の腕は
遊んでしまうから
そのもう一方は
柔らかい乳房に触れながら
後は
ミーの目に甘えた
なぁミー
あれは忘れもしない
小学6年の
ちょうど今日の日のことだった
当時 俺が住んでいた所の区役所では
小学生を対象にした
クリスマスパーティーがあり
クラスメイトのほとんどは
プレゼント交換をするための
プレゼントを持って
そこに出かけた
俺も人並みに
そこに行きたかったんだけど
何も出来ない親は
俺が何度もねだった
クリスマスプレゼントを買えずに
だけど
どうしても
そこに行きたかった俺は
勇気をふりしぼって
その会場の入口へと向かった
ようやくの思いで
そこに辿り着くと
会場の前には受付があって
俺はそこにいたおばさんに
こう言われた
僕、プレゼントは
持ってきた?
プレゼントは
持ってきてません
ごめんね僕
プレゼントを
持ってきていない人は
ここには入れないのよと
とても優しい笑顔で
そう言われた
そう言われて
恥ずかしくなった俺は
今度は来たときの
何倍もの速さで
そこを駆け出して逃げた
後は
今にして思えば
狭い学区の中をあてもなく歩き
道の真ん中にぽつりとあった
石ころを見て
そっか
おまえも一人なんだね
俺が友達の所に
今から連れていってやるからと
そう言って
その石を
蹴飛ばしながら
石がいっぱいあった
公園へと連れて行ってやった
目的のその場所に着くと
俺は
じゃあなっと言って
連れてきたその石を
たくさんの石がある
その場所へと蹴ってやった
石は転がりながら
そこに向かい
同じような石に紛れた
その石は
もうどれがどれだか
わからなくなってしまった
俺はまた一人になった
でもそれで良かった
だって
道の真ん中でぽつんとしていた石は
ああして仲間の元へと
戻っていったのだから
ふと空を見上げると
静かに雲が
東の方角で流れてた
おもちゃ屋の前を通ると
お店のスピーカーからは
ジングルベルの曲が
賑やかに流れてた
プレゼントを親に買ってもらい
それを手にした子供を
何人も見送っているうちに
俺は悲しみが込み上げてきた
その悲しみは
悔しさにも似ていた
でもそんな悲しみよりも
自分はなんで
こんな風にしか
生まれて来れなかったんだろうって
考えていた
だから今でも俺は
ジングルベルの曲が
流れてくると
悲しい気持ちになってくる
それから何年もした後
俺はまたクリスマスパーティーの会場に
向かっていた
でも
今度は一人じゃない
そこにはバイト仲間の人達が大勢いて
その中には
一ヶ月くらい前に告白した
ひとつ年上の
憧れの圭ちゃんもいたから
パーティーの途中で
圭ちゃんは
俺にこう言ってきた
あなたの気持ち
とても嬉しいよって
あなたがもう少し
大人になったら
私達
手を繋いで歩いているのかもしれないね
って
今にして思えば
その言葉は
圭ちゃんの優しさだったのだと思う
その出来事は
パーティーが終わった
少し後の時刻に起きた
パーティーの会場にしていたお店から
3つ折れ曲がった路地に
ふたつの影はあった
電信柱に隠れていたけど
逆に
電信柱の街灯で
ふたつの影は伸びていた
恋愛映画のポスターのような
デザインで
その影は伸びていた
吐く息の俺は
ひとつで
影のそれは
ふたつに重なっていた
冬の真夜中の漆黒に
吐く息は
一段と白さというものを
際立たせていた
ふたつの影のひとつは
圭ちゃんで
もうひとつの影の正体は
いつも圭ちゃんのことで
話を聞いてもらっていた先輩だった
圭ちゃんは顎を上げ
顔は斜め上の傾きなのに
空なんか
なんにも見ていなくて
目を閉じて
先輩のくちびるで
いいようにされていた
俺はまたその時
小六の時と
同じようなことを思っていた
俺は
打ちのめされるために
生まれてきたのかって
それから
もうそんなことさえも
すっかりと忘れていた
10年前の
クリスマスのイブの二日前
名古屋の街は
大雪に見舞われた
俺は鬱がひどくて
三日三晩寝続けた後で
その景色を見た
働いていなかったから
ケーキを買えるお金なんて
持っているはずもなく
ミスドに行き
俺はひとつだけドーナツを買った
ミー
俺はまたその時に
思ってたんだ
俺はなんで
生まれてきたんだろうって
そして今度ばかりは
死んでしまいたいって
思ったんだ
でも
今ならそのわけが分かる
俺は
ミーに出会いたくて
ずっと生きてきたんだ
ミーは今年
最高のプレゼントを
俺にくれた
靴を選んで履いた時の
ミーの脚の美しさや
なによりも
ミーは
俺の指先を噛んでくれた
なぁミー
きっと
そのために
俺は生まれてきたんだろう
もしも今日
ミーと一緒にいることが
出来たなのなら
シーツの上で
ミーに腕枕をして
そんな話をしていたのかもしれないね
ミーのことを包みながら
そんな話をしながら
何度もミーの胸の中で
泣いていたのかもしれないね
生きてきて良かった
だって
ミーに指を噛んでもらえた
だから
生きてきて良かった
ミー
雪の結晶のように
綺麗だよ
ありがとう
愛してる
206年12月24日(土)07時40分
落ちた
「落ちた」
今日の街には
昨日よりも冷たい風が吹いて
俺は捨てられた猫みたいに
体が震えてる
でもそれは
きっと寒さのせいなんかじゃくて
たった今
聞きたくて聞きたくて
仕方がなくなっている
ミーの声を聞けないままでいるから
ねぇミー
可愛らしくて
それでいて
艶のあるその声を
自分だけのものにしていたのは
まだ今日の
真夜中のことだったよね
たった
何時間だけのことなのに
ミーと
何かを交わしていないと
こんなにも
寂しい男になってしまうんだ
だから
せめて
ミーが送ってくれた写真を見つめては
スマホの画面に
この手と指を伸ばして
そこにある
ミーの髪の毛や瞳に
触れて
焦がれて焦がれて
焼け付く
ミーへの想いを
なんとかしようとしてるんだ
こんなにも誰かのことを
想ってしまうなんて
そうだよ
ミー
俺はこんなにも
ミーのことを想うように
なってしまったんだよ
全てのミーを理解して
ミーの幸せを願っているのに
娘や周りの人達のことなんて
放っておいて
自分だけのことを
見つめてほしいって
思ってしまうんだ
俺以外の誰かが
ミーの心に入って欲しくないと
思ってしまう自分がいるんだ
だから
恋は嫌い
愛は嫌い
こんなにも弱くて
頼りなくて
わがままになる
自
分になってしまうから
ミー
少し前の自分に
戻ってしまいたい
俺は元気だよ
何かあった時は
いつでも連絡しておいでって
そんな風に
強がることができていた頃の
自分に戻ってしまいたい
ミー
俺はもうだめだ
ミーに恋してしまった
こんなにも
こんなにも
恋してしまった
そして
愛よりも深いものに
辿り着いてしまった
ミー
俺は
なんにも怖くない
それさえも強がりで
言っているのかもしれないけど
ミーを失ってしまうことだけが
怖くて怖くて
仕方がないんだ
ミー
俺はおまえに落ちた
だからミー
おまえは
俺を好きにすればいい
俺は
ミー何をされても
なんにも言わない
妖精のような
その眩しすぎる姿に
包まれて
愛してるよの
言葉しか言えない
抱きしめたい
2016年12月23日(金)21時42分
うなじ
ミー
あれからまた仕事をして
日付が変わる頃に
自宅に帰ってきたよ
疲れた体を椅子に預けて
それからは
ミーとのLINEのやり取りを
遡っては
何度も何度も読み返して
そんなことを繰り返していたら
ミーの優しさで
胸が詰まってきて
涙がハラハラと落ちだした
今までは
どんなに悲しいことがあっても
涙なんて
滲んでもこなかったのに
だけど
今の俺は
ミーのことになると
途端に涙がこぼれてくるように
なってしまった
なぁミー
お腹痛いのは
大丈夫?
きっと
月の周期のお話しなんだろうけど
こうして心配になっている
自分がいるよ
ミー
ミーは今
お布団の中から
その綺麗な顔を
少しだけ覗かせて
柔らかな息をしながら
眠っているのかな
俺は今すぐに
その場所に行って
ミーの顔を
ずっと見ていたいよ
何もせずに
ミーが起きないように
声にならない声で
ミー
可愛いね
綺麗だね
ほんとに愛しているんだよって
朝が来て
ミーが目を覚ますまで
ずっとそう言っていたいよ
なぁミー
俺はミーに
数えきれないくらいの
いろんなことを
してあげたいし
いつでもどんな時でも
ミーの支えになりたいと思ってるよ
だけど
ミー
俺だって甘えたい
いっぱいいっぱい
ミーに甘えたい
なぁミー
誰にも心を開いてこなかったのに
俺はこんなにも素直になって
ミーに話しているんだよ
閉ざしていた心を開かせたのは
ミーなんだよ
桜の花びらが散った後の
踏みにじられた
そんな景色を
夏の幻覚なら
海の向こうに蜃気楼は見えて
寒くなる頃には
命が尽きて
小枝から落ちた一枚の葉を
この手に取り
厳しい寒さが続く頃には
雪が降った後に
いつまで経っても
溶けなくて消えない雪の
日陰の場所を見ていた
俺はいつも寂しかったし
孤独だった
ミーの白いうなじが見える
そこからは
ミーと同じ甘い香りがして
俺はもっとシートを倒して
ミーのことをいじめたくなった
でも
心も体も
ミーの美しさには
追いつかなくなって
ミーの瞳を覗きこんだら
森を写真に映したような
深い湖の水面のようなそれで
たまらなくて
たまらなくて
ミーのくちびるを塞いだ
ミーはいつもおとなしいのに
その時ばかりは
何かをねだるように
舌を絡めてきたから
俺はもう頭がおかしくなって
もうこのまま
息が途絶えてもいいと思うくらいの
幸せに包まれた
ミー
俺はもう
ミーのいない世界のことなんて
考えられない
愛してる
2016年12月22日(木)05時16分