なぐり書き
何が起きていたのかは
わからないけど
夢の中で俺は泣いていて
ミーはそんな俺を
優しく抱き寄せて
そっと
キスをしてくれたから
俺はそこで
胸の奥が疼いて
目が覚めた
起きていたことは
夢の中での
出来事だったのに
目覚めた俺の目は
涙で濡れていた
ミー
ミーはずるいよ
俺のことを
こんな気持ちにさせといて
そのまま
放っておくなんて
どこまで
罪な女なんだよ
ミーのこと
傷つけたくなってきた
優しく優しく
傷つけたくなってきた
賑やかな街を歩いている
女がいる
バッグを肩にかけて
背筋をピンと伸ばして
颯爽と歩いてる
そんな姿を見ていたら
俺
その女はいらないけど
ミーのことばかりが
やたらに浮かんでくるから
ミーだけに
会いたくて
会いたくて
会いたくて
仕方がなくなってくるよ
ミー
こんな真夜中に
ミーと莉緒を
起こさないことを願って
この手紙を送るよ
ミー
愛してるよ
愛してるよ
愛してるよ
愛してるよ
愛してるよ
ミーにがらくたにされて
それでも捨てられずに
残っているような
ミーにしてみれば
そんなおもちゃのような
男でもいい
ミー
だから
ミーになんて
恋したくなかったよ
なのに
なのに
愛してる
愛してる
愛してる
愛してる
愛してる
ミーのこと
こんなにも
こんなにも
恋して
恋して
愛してる
2017年1月2日(月)04時16分
始まりの朝と、ここから先は
「始まりの朝と、ここから先は」
知らぬ間に寝てしまい
年が変わった夜を
ネットカフェの
狭い部屋で過ごし
お店の自動扉を出たら
夕陽の時と
同じ色をした太陽が
東の空から顔を出していた
今頃はこの国のあらゆる所で
その太陽を見ながら
拍手のようにして
手を叩いている人達が
大勢いるんだろうなって
そんなどうでもいいことを
ふと思った後で
ミーはきっと
綺麗なままのその寝顔に
娘の顔を並べさせて
いるんだろうなと思ったら
幸せな気持ちで
涙がこぼれてきた
そして
心を思いのままにしていたら
自分といてくれない
ミーのことを
ほんの少しだけ
俄に恨んだ
そんなことを思っていたら
なんだか
そのまま家に帰る気にも
なれなくなってきた俺は
ようやく温まりはじめた車の中で
ミーの好きな歌を聴いていたら
この胸が
やっぱり
甘くなって
仕方がなくなってきたから
ミーの細い体を
抱きしめたままで
俺はハンドルを
東の方角へと傾けた
この前何年ぶりかにミーと会って
走った道は
今 朝焼けの中で紫色になり
とても綺麗だった
そんな景色の中で
この瞬間
ここにミーがいてくれたのなら
そんな景色よりも
綺麗なミーを見つめて
かわいい小さな
その唇に
触れることができたのにって
それ以上の幸せなんて
どこにもないんだろうなって
そんなことを思ったんだ
ミーが働いている街を抜け
その近くのコンビニの駐車場で
俺は車を止めて
自分で入れる珈琲を買った
ちょうどその頃
知り合いの人から
年賀のLINEが入ってきていて
そこに
今年の抱負は?
って書いてあったけど
今の俺には
そんなことどうでもよくて
ただ今は
ミーに会いたいんだよ
ミーの声を聞けない日が
続いてくると
俺の心は
こんなにも
拗ねてしまうんだよって
独り言みたいに
そうつぶやいていた
そして今年は
ミーと
手を繋いで歩くんだよって
ミーの笑顔が
毎日溢れるように
俺は
ミーのことを
喜ばせることだけを考えて
生きていくんだよって
なぁミー
それ以上の
俺の幸せが
他には思いつかないんだ
しばし
駐車場に車を停めていた
俺は
もっともっと
東の方向へと
走りたくなった
ミーの住んでいる街の
名前が
後なんキロと示す標識が
たくさん出てくる道を
走りたかった
でも俺は
ここから先へとは
行けないと思った
もしもそんなことを
してしまったら
俺はミーの所まで
行きたくなってしまい
ミーと娘が出てくるのを
ずっと待っていて
二人が出てきたら
ミーをきつくきつく
抱きしめた後で
娘の瞳を見つめて
ママのことを
愛してるからって
そんなことを
してしまいたくなるって
だから
ここから先へとは
行けないって
再び来た道を戻り
走りはじめると
国道の風景は
やっぱり寂しかった
追い越し車線を
猛スピードで走っていくトラックに
俺の小さな車は
その風圧で
ガードレールの方へと追いやられた
このまま死んでもいい
もしもいつか
ミーと別れる日を
迎えてしまうのなら
今の気持ちのままで
死んでしまいたいって
そしたら
もうなおさらに
ミーへの気持ちが
いっぱいになってきて
俺はまた車を止めて
今度は
ミーの写真を見て
スマホの冷たい画面に
そっとくちづけて
自分を慰めた
ミー
今年は二人で
愛溢れる年にしていこう
俺達まだ
今日の朝陽のように
始まったばかり
ミー
明けましておめでとう
だけど
そんなありふれた
今日の日に
似合う言葉よりも
俺は
この言葉を言いたいんだ
ミー
誰よりも誰よりも
かわいいよ
ミー
誰よりも誰よりも
綺麗だよ
ミー
誰よりも
誰よりも
深く愛してるよ
2017年1月1日(日)19時11分
美しい花
「美しい花」
ミー
愛しい愛しい気持ちが
込み上げてきて
また俺は手紙を
書きたくなった
美しい花には棘があるって
昔から言ってるけど
そうだね
それはきっとほんとだね
ミーは
俺の心を
いつもちくちくさせるから
美しい花であることに
間違いない
ミーは
いつだって
その全部が綺麗だ
ミーの裸体なんて
まだ見たことも
触ったこともないけれど
俺にはわかるんだよ
ミーの裸体が
どれだけ美しいかって
そんなの
服の上からでも
わかるんだよ
ミーの心が綺麗だから
そう思うんだよ
きっと
ミーの裸体を見たら
今以上に
この頭も
この体も
おかしくなってしまうんだろうな
もっともっと
虜になってしまうんだろうな
ミー
俺には美しいものなんてないよ
だけど
ミーのことを想う
気持ちだけは
多分美しいよ
その汚れのなさだけは
絶対に
誰にも負けない自信がある
だから
俺は
ミーにだけ棘を持っている
その先端で
ミーのことを傷つけたくなってしまう
俺のことだけで
ミーに傷ついて欲しいと
思ってしまうから
ミー
この一言を言いたいがために
この手紙を書いた
ミー
愛してるよ
2016年12月31日(土)0時20分
強がりな夜
「強がりな夜」
娘と会っている時は
連絡してこなくていいよって
優しく言った後で
どうしようもい寂しさに
襲われてしまっている
自分がいた
娘といる時は
俺のことなんて忘れて
楽しい時間を
過ごして欲しい
それは
本気で思っていることだし
その言葉に嘘なんて何一つない
だけど
こんなにも
寂しくなってしまうなんて
ミー
俺はいつまで経っても
大人になれずにいるね
こんな時に限って
ミーの
柔らかな陽射しのような微笑みを
絡めてくれたミーの舌の感触を
いつもよりも強く強く
思いだしては感じてしまう
自分がいるよ
シーツの波の上で
ミーの足の爪まで
愛して
自分のものだけにして
って
そんないけない夢が
この息を乱れさせていく
なぁミー
女の体だけなら
俺は求めない
ミーのことだから
こんなにも
ミーの全てを
欲しがってしまうよ
いくらでも
恋をしてきたはずなのに
昨日も書いたけど
ミーのことを想う気持ちに
比べたら
今までのことはなんだったんだろうって
思ってしまくらいに
俺は今
ミーに恋してる
時折
狭い道を選んで
俺は歩いた
そこには
ミーだけがいて
ミーは
誰にも見られていなくて
そんな二人だけの憧れを
俺は一人胸に秘めて
ミーを抱きしめる
そこから先は
街の広い通りの真ん中に
ミーを連れて行って
大勢の人達が行き交う群れの中で
ミーの両方の頬を
この手で持ち上げて
ミーの唇にキスをして
ミーは俺のもんなんだからなって
そう叫んだ
ミー
ミーがいなかったら
俺はもっと
孤独な男になっていたよ
だから
娘が泊まって
連絡が出来ないことなんて
どうってことないよ
愛してるって
ミーに言えないことが
ちょっとだけ
苦しくなっているだけだよ
ミー
だから
今日はこの手紙で
一度だけ言わせてもらうよ
ミー
綺麗だよ
愛してるよ
こんなにも深く深く
愛しているよ
2016年12月30日(金)22時35分
なぐり書き
風に舞っている
落ち葉のような
そんな頼りない心が
今ここにある
ミーが無事に
帰ってきたから
その声を聞けたから
また熱が上がってる
少し寒い
ミーの温もりが欲しい
さっき
その可愛らしい
ミーの声を聞けた
きっと眠れるはず
ミー
愛してる
おやすみ
2016年12月30日(金)02時16分
ミーはこの時
会社の忘年会で
酔っ払ったミーの声が
色っぽくてたまらなかった
恋なんて知らなかった
「恋なんて知らなかった」
日付が変わり
窓の外には
高速道路の灯りしか
見えなくて
もうこんな時間なのに
ミーはどこで誰と会い
どんな服装をして
どんな笑顔で
誰と話しているのかと
思ったら
いけない妄想が
胸の中で膨らみ出しては
暴れだした
俺はそんな自分を
どうすることも出来なくて
内にあるざわめきとは裏腹に
また窓の外を
わけもなく見て
ただただ無口なままで
さっきとは
何も変わってない
高速の灯りに
再び目をやった
もう何十年も生きてきて
数えきれないくらいの
辛い経験もしてきたはずなのに
今の俺には
こんなことしか出来なくて
ミーのことばかりを考えてる
ミー
俺はおまえのことばかりを考えて
ミーが家に帰ってくるのを
こうして待っているのに
なぁミー
おまえはなんだよって
人の気もしらないで
なんだよって
思ってしまっている
俺はミーのことを
束縛したいわけでも
なんでもないのに
そんなことを
ミーに言いたくなって
しまうよ
もうミーとのことなんて
どうでもいいから
このまま眠ってしまおうか
朝が来るまで
ミーのことなんて
考えなくて
夢さえも見なくて
そしたらきっと
何も考えずに済むからって
そんなことを思いながら
俺は今
3本目の酎ハイのタブを
いつもより強めの力で
思いっきり開けた
指が痛い
ミー
指が痛い
だから
あの夜の時と同じように
優しく噛んでおくれよ
あぁ そうだよ
ミー
広い駐車場のあった
コンビニの片隅で
ミーにそうしてもらったことは
この人生の中で
いちばん美しい思い出なんだよ
なぁミー
今までいろんな女を
愛してきたはずなのに
女のことなんて
知り尽くしているはずなのに
俺
ミーのことになると
何もわからなくなってしまうんだ
不安や
嫉妬や
恐れや
そんなもので
いっぱいになってきて
頭がおかしくなってくる
ミー
愛なんておもちゃ
俺はいくらでも
誰にでもあげてきたよ
そんなの
自分の中にいくらでもある
でも
ミー
俺はきっと
恋なんて知らなかった
こんなにもこんなにも
切なくて
こんなにもこんなにも
激しくて
こんなにもこんなにも
甘くて甘くて
俺
ミーと出会って
初めて
恋というものを知ったみたい
ミー
なんだか
泣きたくなってる
誰にも渡したくない
新しい色を入れたばかりの
ミーの髪の毛をかきあげ
白く光るそのうなじに
この唇を這わせたい
その場所に
永遠に消えることのない
キスマークをつけたい
ミー
愛なんかよりも
重たい気持ちで
ミーに恋してる
2016年12月30日(金)01時28分
Strange -ながい愛-
会社の倉庫の中で仕事をしていたら
頭の中で
突然
B'zの「ながい愛」が流れ出してきた
その事をミーにLINEしたら
今ね
聞いてます
って
ミーから返事がきた
きっと
ふたり
今まで知らなかったけど
そんなことは沢山あったのだろうって
思った
胸の高鳴りが止まらなくなったから
それを抑えるために
俺は倉庫の外に出た
澄みわたる青い空が
どこまでもきらきらしてた
俺は忘れない
2016年12月28日の
7時46分のことを