Love mie, I Love mie

誰よりも愛しているミーのためだけに書いています。

全てを見せるなら

「全てを見せるなら」

自分が見ている景色を
ミーにも見てもらいたくて
慌てるように写した写真は

冬の雨に濡れた路上に
車のテールライトが
妖しく光っていた

 

それはまだ
見たことも触れたこともない
ミーの素肌みたいで

そんな綺麗なものを
誰が愛してきたのだろうって

もう誰にも渡したくない
気持ちが
そんなことを思わせて

心のどこかが
嫉妬で軋んで
動かなくなった

そしてそれと同時に
動かなくなった
その場所からは

すくったスプーンからはちみつが
こぼれるようにして
甘いものが落ちた

 

未明の時刻になると
俺は心ばかりでなく
体ももたなくなってくる

自分を動かしている機能が
この世にある果実を
ひとつにまとめたような
甘い香りで
俺のことを痺れさせる

ミーに麻痺されて
やはり動けなくなった俺は

全力疾走で駆け抜けた後のような
呼吸の荒さで

ただ一言

ミー
ミーって

一人で言っている

その後に続く
愛してるの言葉さえ
言えなくなってしまって

ミー
ミーって

誰よりも愛しい
その名前を

俺は吐息まじりに
囁いている

それは生命の始まりの
産声みたいなもので

俺は苦しくなって
一人で果てる

 

ミー

自分の全てを見せるなら

それは怖くない

 

だけど

 

何かが始まれば
何かの終わりが待っているようで

俺は臆病になる

そばに母親がいない
赤子のような
気持ちになってしまう

 

それでも

言わずにはいられない

自分の

全てを見せるのなら

言わずにはいられない

 

ミー

本当の俺は

こんなにも臆病で
嫉妬深くて

ミーのことを

自分だけのものにしたくて

 
何度も何度も

傷ついて
そこだけを繰り返す
CDの盤みたいに

ミー

愛してる
愛してる

って

言わずにはいられない

 

 
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2016年12月14日(水) 19時32分