そっとおやすみ
この冬一番の大寒波がやってきて
雪が降るかもしれないと
ニュースはしきりにアナウンスしてるけど
今窓の外を見てみたら
どうやらこの街には
まだそれを連れてきていないみたいだ
冷たい風が吹いて
この身体を駆け抜けていく度に
俺は思いだす
この前会った時に
ミーから手を繋いできてくれた時のことを
思いだす
ミーのその行動は
とてもさりげなかったくせに
だからこそ
そんなミーがいじらしくて
あの時の光景に
ずっと胸がやられたまんまなんだ
そう
甘く甘く痛めたまんまなんだ
ミー
かわいくてかわいくて
仕方がないよ
俺 毎日こんな気持ちで
この先どうやって生きていけば
いいんだろう
友人達はそんな俺を見て
胸のうちをそんなに
相手に見せてはいけない
少しじらせたほうが
相手の気持ちを惹きつけておくことが
できるぞって
忠告してくれるけど
俺 そんなのいらない
駆け引きなんていらない
ミーに飽きられようが
なんだろうが
毎日毎日
だらしないくらいに
ミーに自分のこの気持ちを伝えていたい
ミーのこと
愛してるって
だって自分には
それしかないから
ミーが喜んでくれるから
言ってるんじゃない
それは自分の喜びだから
ミー
今 ミーからLINEが
送られてきているよ
でも今日は
そのままにしておくね
ミーは明日も早いし
このところ残業続きで
疲れていると思うから
早く休めてほしいんだ
ミーのLINE見て
それが既読になって
俺が返事をして
そんなことをしているうちに
俺はまた
どうしようもなく
ミーの声を聞きたくなってしまって
電話をかけてしまうから
ただミーのことを
寂しくさせてしまわないかって
それだけが心配
寝てしまったのかなって
そう思ってくれていれば
いいんだけどな
ミーの仕事はこの最近
変化してきてて
ミーはそこにがむしゃらになって
必死で頑張っているよね
俺はそんなミーのことも
大好きだから
否定も何もないけれど
ミーには俺がいるんだから
もう何も心配しないでね
そう思って
たまには力を抜いてね
そこに出来た余裕は
ミーが思っている以上に
ミーに幸せをもたらしてくるからね
もうミーには
心配や不安なんて言葉
いらないんだよ
この世の中は生きていくだけで
大変なことだらけ
だけど
俺にはミーがいるから
日々起きてくる
ちょっとした苦いことなんて
どうってことない
そんなの噛み砕いて
甘いものに変えられる
いつもいつも
ミーの笑う声が聞こえるから
いつもいつも
ミーの全てに感じている
自分がいるから
俺はそんなの
どうってことない
ミーがこの人生を
全部甘いものに変えてくれるんだ
ミーも同じ気持ちでいてくれたら
いいな
なぁミー
短い人生だよ
何があっても
俺
ミーのこと守るからね
だから二人で遊ぼ
ずっとずっと
一緒に遊んでいよ
日が暮れることに気がつかないまま
夢中になって
砂遊びをしていた頃のような
そんな気持ちで
ミー
ミーはもう寝たかな
そうだったらいいな
ちゃんと
あったかい布団に入って
寝たかな
またソファーで
寝てたりしていないかな
ミーの頬に
優しくキスしたい気分だよ
もう誰のことも愛せないよ
ミーのことしか愛せないよ
愛してるよ
ミー
そっと
おやすみ
綺麗 可愛い 色っぽい
不安だって
そんな内容のお手紙を
朝から送って
お昼過ぎには
愛してる
愛してるって
それだけを書いたLINEを
いっぱい送り
あれでも全然足りてないんだけど...(笑)
さっきは
ぎゅってしてる
スタンプと一緒に
恋しいって
またLINEで送ってしまって
ミー
俺 こんなんだよ
ミーは本当に
こんな俺のことを
重たくなったりしていないの?
お腹いっぱいになったりしていないの?
飽きたりしていないの?
そんな俺の問いかけに対して
その通りだよって
ミーに言われてしまったとしても
俺の気持ちなんて
何も変えられないんだ
ほんとに
ミーのことが好きなんだ
大好きなんだ
ミー
気持ちというものは
伝えられないと
どうして苦しくなってくるんだろうね
空気が冷たくなって
日が暮れかけはじめた街は
灯りを連れてくる
俺は
シルバーの車体に
赤の装いをした電車が走っている
高架線の下で
この手紙を書いている
そうやって書いている今も
その電車は
車体を少し右に傾けながら
ミーの住む街の方へと
レールの音を軋ませながら走っていく
早く早く
ミーに会いたいって
俺が
ミーの細い肩に手を伸ばすようにと
走っていく
ミー
俺は女に慣れてるんだよ
こんなこと言う俺なんて
うざいだろ
でも
ダメだ
ミーの前では
違う自分がいる
今までの自分とは
まるで違う自分がいる
秒単位の感覚で
ミー
ミーは
ほんとに
誰よりも綺麗
誰よりも可愛い
誰よりも色っぽい
って
囁かないと
苦しくなってしまっている
自分がいる
ミー
恋しい
今宵も抱きしめたい
不安
もう少し自分というもにに
余裕があれば
ミーのことを
もっと楽にしてあげられるにね
俺 世間からしてみたら
もういい大人のはずなのに
自分は
全然大人になりきれていない
だからきっと
ミーに対して
申し訳なく思うんだけど
自分は
大きな愛なんて
何一つ持ち合わせていないよ
偉そうに
生きていくことについては語る
けれど
ミーのことになると
不安で不安で
仕方なくなってしまう
自分がいつもいるんだ
いつまでも可愛いって
言ってもらいたいって
ミーは俺にそういうけれど
それは俺じゃなくて
そう言ってもらいたい人が
ひよっとしたら
もっと他にいるんじゃないかって
ただ単純に
そんなことを思ってしまうんだ
だって
ミーは
それくらい綺麗な人
そんなに綺麗な人が
自分のもとへと
転がりこんでくれたなんて
もうずっと
夢を見ているみたいで
できることなら
悪い夢じゃないことを
祈りたいんだけど...
ミー
今度会った時は
今まで以上に
もっともっと
強く抱きしめておくれよ
今までの男なんかに
そんな力で
抱きしめたことのないくらいの
強い力で
抱きしめておくれよ
ミーに対する不安なんて
ミーのことを愛している限り
これもまた
永遠に消えたりしないけど
ミーがそうしてくれたら
そんな不安な気持ちも
少しは薄れてくれると思うから
なぁ
ミー
なんで今
横にいないんだよ
横にいてくれないんだよ
昨日のことなんて
すぐに忘れてしまう
だけど
自分には
こんな風景だけが
印象に残った
ミー
愛してるよ
愛してるよ
愛してるよ
おやすみ
Sugar
「Sugar」
窓の外からは
午前中から降りだした雨の音が
鳴り止まずに聞こえているよ
ミー
ミーはいま何処にいて
何をしているのだろう
笑っているのかな
それとも
普通の顔をしているのかな
どんな表情のミーでもいいから
俺はミーの顔を見ていたいよ
ミーはとても綺麗
ミーの全てがとても綺麗
誘われないと
人に会うために
出掛けることのない俺だから
今日は一日
家の中で過ごしたよ
みんな
きっと楽しい時間を過ごして
いるのだと思う
みんな
俺には
何かあった時にしか
連絡してこないから
俺は
そんなの慣れてるし
全然平気なんだけど
ミーが今いないことに
少しだけひねくれてしまって
いるんだよ
ミー
この前会った時に
ミーは俺に言ったね
ミーが娘といる時に
連絡がないことを
寂しいって言ったら
あなたにも子供がいるし
私にもいる
だからあなたが子供といる時は
連絡がなくても寂しくないよって
俺はなんだか
その言葉が寂しかったんだ
わかるけど
自分がいないと寂しいって
言って欲しかったんだ
ものわかりのいい
ミーなんて
ちっとも面白くない
もっと女になって
もっとわがまま言ってくれたらいいのに
って
それ
俺の勝手な思い込みなんだよね
それはともかく
ミー
ミーと会ったのは
まだ四日前の夜だったよね
こうしてずっと
ミーから何の連絡もないと
ミーの体をきつく抱きしめたことも
ミーと腫れ合うほどのキスをしたことも
その全部が
幻だったように思えてくるよ
ミーから
もうずっと
連絡がないような気がしてきて
ならば
いっそのこと
このままどこか遠くの街に行き
消息を絶ってしまおうかなって
自分のことを誰も知らない
自分も誰のことをも知らない
そんな街で一人暮らせば
きっと
誰かに
嫌な気持ちにさせてしまうことを
言わなくても済むし
誰もいないから
自分も寂しい思いをしなくて済む
そんなことを考えながら
理由もなく
俺は瞼を閉じる
雨の音は
さっきより
一段と激しくなったみたいだ
ミーの白くて長い綺麗な指が
俺の髪をくちゃくちゃにしていく
ミーの美しさを
何も壊さないようにと
そっと触れたはずの
くちびるだったのに
いつしか
ミーに舌を絡められ
俺は止められなくなった
ミーのくちびるを
ほどけなくなった
ふとミーの瞳を見つめたなら
あまりにも綺麗で
俺は吸い込まれそうになって
妖しく光る
その輝きの向こうへと
俺は溶けていきたくなった
二人で与えあった温もりならば
永遠に忘れない
そんな甘い夜は
幻想的な月を連れてきて
二人にそれを見せたね
ミー
俺は今
こんなにも満たされているのに
寂しくて仕方がないよ
ミー
ミーはまるで砂糖だね
その身と心を甘く匂わせながら
そこに俺を誘い
もう二度と這い上がってこれない
甘くいくせに痛くて
苦しい
そんな世界に落とさせる
ミー
会いたくて会いたくて
仕方がないよ
ミーの美しさを
写真を撮るような正確さで
書きたかったのに
俺の拙い文は
それをボケさせる
ミー
胸が熱くなってきた
何故かわからないけど
涙がこぼれてきた
ある日突然俺がいなくなったら
その時は
どこかの知らない街で
元気に過ごしているのだと
思ってくれたらいい
永遠にミーと
一緒にいたいのにね
そんなことを思ってしまう
自分がいるんだ
狂おしいほど
愛してる
2017年1月8日(日)20時13分
なぐり書き
ミー
ミーと電話を切った後で
甘い歌を聴きたくなったんだけど
きっとミーよりも
甘い声なんて
どこにもないから
どの歌を聴いても
何も感じられなくなってる
自分がいるよ
たった今
そう感じている
自分がいるよ
ミー
ミーが怖くなるほどの愛を
ミーにあげたい
ブラウスのボタン
ひとつ外して
そこで止まってしまうくらいの
愛がいいけれど
あの夜
ミーに触れた太ももの
その感触を思いだす度に
この指が疼く
もう
もう
ミーの心なら
当たり前のように
愛しているから
ミーを抱き寄せて
0.01㎜の隙間もないほどに
ミーの体を愛したくなる
ミー
愛してるよって
その耳元に囁いて
ミーのあらゆるところを
優しく
時には
少しくらい
痛みが伴うくらいの痛みで
噛んで
ミーのことを
おかしくさせたくなる
ミー
ミー
愛してるよ
愛してるよ
今夜は
ミーの声を
子守唄にして寝ることにするよ
ミー
おやすみ
2016年12月21日(水)03時22分
幸せすぎて
「幸せすぎて」
好きな人の子供を抱いて
寝た夜
その子は
ママ ママと言って
泣いていた
俺はその子に向かって
言っていた
そんなに泣くなよ
俺だって今
泣きたい気分なんだからって
心の中でそう言って
ママは今
好きな人のところに
行ってるんだからって
その後は声にして
ママは今幸せなんだよ
だから今日は
俺と一緒に寝よって
そう言った
五歳のその女の子は
そんな俺の言葉に反応して
涙を浮かべながら
俺の名前を言った後で
自分だって寂しいくせに
って言って
泣き疲れてしまったのか
そのまま
俺の胸の中で眠ってしまった
俺は
ミーと
連絡が少なくなったり
ミーとのLINEが
既読にならないと
そんなことを思い出してしまう
不安になるんだね
別に
ミーが他に
好きな人がいるなんて思ってない
疑ってもいない
だけど
そんな記憶の残骸だけが
心を苦しめるんだ
そう
それは
ミーがいかがわしい
看板を見る度に
嫌な気持ちになるのと
同じ
愛は哀しいね
僕の代わりに君が
今日は誰かの胸に
眠るかもしれない
そう唄ったのは
小田和正
俺はその歌を聴く度に
胸がえぐられたような
気持ちになる
ミー
俺そんなの
もう嫌だよ
もしもそんなことがあったら
俺にちゃんと言ってね
そしたら
俺
ミーのこと
絶対に奪いにいくから
嘘をつかれるのが
いちばん嫌だよ
何よりも
いちばん傷つくよ
電気を消した部屋で
変な動画を流して
女の裸体を見ている
自分がいる
でもその裸体は
ミーなんだ
ミーのことしか欲しくない
ミーのこと以外は考えられない
そして俺は
海賊船が
荒波でボロボロになって
波打ち際に打ち上げられた時のように
朽ち果てる
ミー
こんなことを
言ってしまうのは
こんなことを
考えてしまうのは
きっと
ミーと一緒にいる今が
幸せ過ぎるからだね
ミーはまた
ソファーで
眠ってしまっているのかな
今すぐに
そこに飛んで行きたい
今夜は
そっとなんかしておかない
この前の夜みたいに
長い長い
終わらせたくない
キスをずっとしていたい
ミーの舌を吸って
ミーの耳を噛みながら
今度は
ミーの
もっと感じるところに
触れて
普段は大人しいミーの
荒くなる吐息を聞きたい
潤んだ瞳なら
俺だけを見つめていて
そんなことを
何度も何度も繰り返して
二人だけの朝を
迎えたい
ミー
愛してるよ
どうか
こんな俺を許して
どうか
こんな俺を嫌いにならないで
2017年1月6日(金)23時52分
紫陽花
「紫陽花」
ミーとの電話を切った後で
その静けさに
寂しくなったから
今またこうして
ミーに手紙を書いている
いつまで経っても
一昨日の夜の
ミーの甘い吐息が
耳から離れない
一昨日の日という日は
あまりにも美し過ぎたなら
なんだか
夢を見ているみたいで
それは儚くて
切なくて
幻想のような記憶
ミーのことなら
なんでも知りたい
でも
ミーの過去のことなんて
どうでもいいって思っているはずなのに
俺はそれを聞きだした
ミーが
南の島の名前を言って
いくつもの夜を
その男と過ごしていたのか
って思って
俺はまだ一度も
ミーと
そんな時間を
過ごしたことないのに
って思って
そんなことを想像していたら
気がおかしくなるほど
妬けてきて
あの時
ミーのことを
力ずくで押し倒したんだ
もう
ミーのそんな記憶さえ忘れさせて
自分だけのものにしたくなった
感情なんかに
この理性は負けたりはしないけど
ミーの
何もかもを捨てさせて
もう本当に
自分だけのものにって
そう思ってしまったんだ
ミー
この手に触れた
ランジェリーの感触は
いまだに
この心に残ってる
指を這わせて這わせて
もっともっと
ミーの所に行きたかったけど
そこで始まる何かが
何かを終わらせて
しまうんではないのかと
思ってしまったから
本当は
臆病なだけなのにね
男なら
きっと
誰もが我慢できなくなる
その場所に
俺はひたすら耐えた
だって
綺麗な花びらは
いじったら
汚れてしまう
ミー
なぁミー
甘くて痛い
紫陽花の花が
遠くで咲いている
雨に打たれて
綺麗に咲いている
その凛とした姿は
まるでミーのようだ
濡れたその花びらを
俺は見て囁いてる
ミー
綺麗だねって
囁いてる
ずっと咲いててねって
濡れた花びらに
囁いてる
ミー
愛してる
2817年1月6日(金)01時17分