ひとりごと
片側4車線の大通りの端に設置してあるコインパーキングに車を止めて、次の客の待ち合わせ時間まで、まだ一時間以上あるから、ブログの記事でも書こうかなと、そんなことを漠然に思っていたら、
鳩尾辺りに突然激痛が走り、少しだけぼやけた意識の後に、二つを咳をしたら、口を押さえた手のひらには、黒い血の点々模様ができていた。
そんな光景を目にしたら、俺はなぜだか分からないけど、ミーの横顔と、爪の色と、それからその時着ていた服が同時に浮かんできて、不意に涙が出た。
道行くスーツを着た人達の群れの中の一人が、大きな声で、今夜はどこに行こうか?って、その輪に話しかけている。きっと今から、この近くにある繁華街にでも繰り出して行くのだろう。
吐いている息が白い。
そう言えば、さっき、民放ラジオのパーソナリティーが、賑やかな声で、今日は大寒ですって言ってたっけな。
来年も俺は、その単語を聞くことが、果たして出来るかな。
だめだ。
まだ病名の結論も出てもいないのに、こうやって、最悪の物語を脳の中で作るのは、昔からの自分の悪い癖だった。
人生なんて分からないのにね。
登りつめて有頂天になって、幸せを噛みしめていたと思ったら、その次には、すぐに落ちていったり、
かと思えば、
もう生きて行くのも嫌になるくらいの絶望の淵に立たされていたのに、急にその暗闇へと光が射し込んで、元気になっていったこともある。
そんなことの繰り返しばかり。
そう思うと、人生は天気と全く同じだな。
晴ればかりが続くこともないし、雨ばかりが続くこともない。温かい日もあれば、寒い日もあって、それは、人の人生に於いても、自然ってやつなんだろうな。
あー そんなことどうでもいいや。
今ミーの声が聞きたい。
それしか思えない俺は、何かを慰めようとして、目の前にある景色を見ているよ。
そうだな
ミー
俺のそばからは、自分が大切にしてきた人達が、みんな消えていったよ。
今までは、そんなことの全てを人のせいにしてきたけど、やっぱり、それは違ってた。
きっと俺には、自分の中に欠落しているものがあるんだ。
でなければ、あの夜、ミーのことを泣かせたりすることなんてなかったはずだから。
ミーのことを失いたくなくて、勝手に不安になって、いろいろ言い過ぎたり、いろいろ質問し過ぎた。
本当にごめんね。
ミーには、神様の前で懺悔するように、謝るしかない。
でも、どんなことでも我慢せずに、なんでも言って欲しいなって思っていたのも、ほんとなんだよ。
けれど、聞いたことも、あまりにも浅はかで愚かだった。
俺、人の気持ちいっぱい聞いてきたけど、なんにもわかってない。
歳を重ねていくだけで、何も成長していない自分は、ほんとにアホだわ。
もう誰のことも傷つけたくない。
そんなことを思ったりする俺に、神様は、今度こそ一人にさせてしまうかも。
ミー
お仕事いろいろと大変だと思うけど、ほんとに頑張ってね。
そして明日は、娘と会える日だね。
娘と笑って楽しい時間にしてよ。
俺はやっぱりミーが笑っていてくれたら
それが何よりも嬉しいから。
そしてこれだけは言えるよ。
ミーと出会うことができた自分の人生は、本当に幸せだわ。
どんなに暗かった色も、明るい真夏の青空のような色にしてくれた。
いかん。
なんかこの世との永遠の別れみたい(笑)。
長年培ってきた癖というものは恐ろしいわ(汗
)
あっ、そろそろ待ち合わせの時間に近づいてきた。
いい暇つぶしになった(笑)